1.製品を構成要素に分解して考えます。構成要素には、競合企業や将来の機会なども考慮します。
2.構成要素を組みなおし、回答者に仮想の製品や製品コンセプトの中から好みを選択してもらいます。
3.これらの選択の中から、各構成要素に対する知覚感覚を定量的に導き出します。
4.仮説シナリオでは、仮想の新コンセプトを構築し、顧客の嗜好度合いをシミュレーションします。
コンジョイント分析の目的は、今日の状態でどの製品が選ばれるかを理解することではありません。この目的を達成するのには、より適したデータソースがあるでしょう。コンジョイント分析の目的は、むしろ、仮説に基づく新しい状況で、顧客が何を選択するかを知ることです。重要なのは、経験に基づく先見性です。また、コンジョイント分析では、許容価格や購入意欲について直接聞くことはありません。価格は、製品の多くの特性の中の1つにすぎません。回答者が、調査の目的が価格設定であることを知ることはありません。また、調査や関心の対象が1つのブランドであることも、回答者が知ることもないでしょう。
価値の創造と獲得は全ての企業にとって関係しますが、動きの激しい環境で意欲的な成長目標を掲げる企業にとって特に重要です。これは、変化し続ける顧客ニーズにすばやく適応する必要があり、この目標を達成するためにさまざまな戦略を取ることができるためです。新しい製品やサービスを提供する他社を買収することもあれば、自社の研究開発力でイノベーションを起こすこともあります。いずれの場合も、顧客のその資産への知覚価値を最大化する方法を把握しておく必要があります。
また、多くの企業は常に価格を下げようと交渉する顧客に悩まされているため、ブランドの知覚価値を損なうことなく削減できるコストと省略できる機能を把握することは役に立ちます。プレッシャーは、社内からだけではなく、値下げや技術革新を行う競合他社からもかけられています。どの様な選択肢があるかを理解し、競争圧力への対応が市場のパフォーマンスにどのような影響を与えるのかを知ることは非常に重要です。コンジョイント分析が人気なのは、これらの問題に対応し、ビジネス上誤った決定を下すリスクを抑えるためです。
コンジョイント分析は、製品および価格戦略の指針となり、顧客のニーズや嗜好に関する基本的なインサイトをもたらしてくれます。コンジョイント分析の結果は、機能や製品メリットの優先順位付けや、顧客の価格感応度を知るために利用することができます。
コンジョイント分析で得たデータと顧客に関するインサイトにより、採算の取れる成長に向けた計画が可能になります。また、分析データは、価格設定とイノベーション管理の進め方についての詳細な見解となります。これは、価格とイノベーションの管理、次の製品の開発段階への効率的な移行方法、および、社内のステークホルダーや社外のパートナーをどのように巻き込み、導いていくかに影響を与えることもあります。
これらのインサイトは全て、多くの意思決定者が市場競争力を維持する上で、大いに役立ちます。
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